「何だよ、人を変質者みたいに」
「だだだだだって、涼がいきなり声かけるから…」
私は胸に手をあてながら呼吸を整える。
「覗き見するつもりじゃなかったけど…あんな場面で家に入りずらかったの!
てゆーか涼、もっと他に断り方ないの?
せっかく告白してくれたんだから、もっと優しく対応しなさいよ」
昨日の私を思えば、私も涼の事は言えないけど。
「そんなこと言っても、今の知らない奴だし。
知らない奴に好きでしたって言われても、俺はあんたのこと何も知らないし、あんたは俺の何を知ってるんだって話だろ」
「で、でも、付き合ってみて知ってくのも有りじゃない?
…涼、モテるんでしょ?
彼女作ればいいじゃない」
……あぁ、私涼に謝るつもりでいたのに…
幼馴染としていつも通り接しようと思えば思うほど、思ってもないことが口を付く。
「俺、男子校だけど。
でもまぁ今みたいに、知らない奴には今まで15人くらい告られたかな」
「…あっそ」
ちっ…嫌味なやつ。
涼のこういうとこ、ホント生意気。
自分がモテること自覚して…なのに平気な顔してあんな……
「でも大学からは共学なんでしょ?
きっと可愛い女の子、いっぱいいるよ」
「……もしかして、心配してんの?俺に彼女が出来るの」
「ちっ、ちが…っ!」
私はカッと顔が赤くなるのを感じた。
「安心しろ。
俺、咲以外の女に興味ないから。
咲じゃなかったら、みんな同じだ」
そう言って涼は、ポンと私の頭を撫でて家に入っていった。
私はポツンと1人、その場に立ち尽くす。

