「バカかお前!!」
涼は怒っているのか、いつも以上にキツく怒鳴った。
「何ノコノコついてってんだよ!
ちょっと優しくされたからって、気許すなよ!もっと警戒しろよ!」
「あのねぇ、大人には大人の“付き合い”ってものがあるの!
第一何で涼がここにいるの?
毎回毎回、何でこういうタイミングで現れるのよ!」
「付き合いって何だよ?
お酒飲んで男とホテル行くのが咲の言う付き合いなわけ?
失恋したくらいで、自分傷付けるようなバカなマネするなよ!」
涼の言葉に、私の中で何かがキレた。
私は力ずくで、涼の腕をほどく。
「もうほっといてよ!!涼には関係ないでしょ!?
私だってどうすれば良いか分からないの!
…私、処女なんだよ?
23年間、男の人とまともに恋愛したことないの!
優兄ちゃんのことも、好きなのになんかもう分かんなくなって…
だけどやっぱりお姉ちゃんと結婚するのは悲しくて…
この気持ちをどうすれば良いか分かんないのよ…」
…悔しくて、惨めで、涙が出て来た。
私は大人なんかじゃない。
甘ったれでワガママで、
本当の恋を知らないだけの、ただの子どもだ。
「…笑いたきゃ笑えば?
涼が言うように、私は全然大人なんかじゃない」
5歳も下の涼に叱られて、バカみたい私…。
誰かを利用して、私は前に進もうとしていた。
だけど結局、傷付くのが怖くなって逃げた。
まずは私が、私自身とちゃんと向き合わないといけないのに。

