Sugar × Spice 〜カレは年下幼馴染〜

「僕で良ければ話聞くよ?

うちの受付嬢がそんな表情していたら、みんな心配がるよ」


「す、すみません…」


私は恥ずかしくなった。

私情で仕事もまともに出来ないなんて、社会人失格だ。




「高宮さんはきっと、つらいこともぐっと我慢して溜め込むタイプでしょ。

僕、高宮さんの笑顔が好きだから、君には笑ってて欲しいんだ」


「林田さん…」



林田さんって、こんな優しい人だったんだ。


大人で、紳士的で、

涼みたい“バカ”とか言わないし……



弱ってる時にこんな優しくされちゃったら、


私、林田さんのこと好きになれるかな……?


“男は優兄ちゃんだけじゃない”



…そうだよね。



私が今まで優兄ちゃんしか見て来なかったからダメなんだ。



……だって、優兄ちゃんじゃなかったら、みんな同じ。



もう、どうだっていいや。








林田さんに誘われ、その日の夜2人でご飯を食べに行くことになった。

林田さんは話も上手で、口下手な私でも楽しく会話を盛り上げてくれた。

連れてってくれたイタリアンは、どの料理も本当に美味しくて、

私は普段飲まないワインを勧められ、だんだん気分もよくなってきた。



……男の人と2人っきりで食事なんて久々すぎて、ドキドキと緊張がすごかったけど、

林田さんと話していたら、それもだんだん和らいできた。



気付いたら私は、林田さんに優兄ちゃんのことを話していた。


「…ずっとずっと好きで、でも私が何も言わなかったから…

気持ち伝えようとしなかったから、だから仕方ないんです」




「そっか…でも高宮さんは一途なんだね。

そんな長いこと、1人の人を好きでいられるなんて…

羨ましいなぁ、高宮さんに想われるなんて。

その“優兄ちゃん”は幸せ者だ」


「そんなこと…」


だって優兄ちゃんは、お姉ちゃんを選んだ。


お姉ちゃんと一緒になることが、優兄ちゃんの幸せなんだ。