優兄ちゃんにそばにいて欲しいのは、私だって同じなのに…
私だって、優兄ちゃんのそばにいたいのに…
ずるいよ、お姉ちゃん…。
だけど、こんな風に思う私はもっとずるい人間だ………。
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「で?
何なの、その顔」
「え?」
ミカが私の顔を見て、呆れたように言った。
「大好きな優兄ちゃんがお姉ちゃんと結婚するなんて、
咲、そんなの許さないから!
…って思ってるわけ?」
ドラマのセリフのように大げさに言うミカを、軽く睨む。
「違う、そんな風には思ってない」
「じゃあ何よ?
…咲、良い機会じゃない。
あんたが優兄ちゃんのこと大好きだったのは知ってる。
でもね、男は優兄ちゃんだけじゃないのよ。
もっと周りを見てみなさいよ」
そう言ってミカは、受付から出入り口の方を目配せした。
振り向くとその先には…
「…林田さん…」
視線の先には、林田さんの姿があった。
「昨日は本当にすみませんでした。失礼な態度とってしまって」
「全然。僕の方こそ、突然だったから」
ひと気のない非常階段で、私は林田さんに向かって頭を下げた。
「…昨日、大丈夫だった?なんかあったのかなって思って、心配してたんだ」
「いえ、大丈夫です」
「でも高宮さん、目、腫れてない?」
「これは…」
私は思わず俯いた。
泣き腫らしたわけじゃない。
一晩中泣くもんかと我慢していたら、こうなっていたのだ。

