「えっ・・・何、どうしたの?ヨウ・・・大丈夫??」

「こいつがっ!」

ヨウタが俺を親指で差す。


「ユキ・・・ナナ、何もないから。ちょっとあっち行こうぜ」

ノゾムがヨウタを連れ出し、教室から出た。


こんなギクシャクした関係が続く中、月日はあっという間に過ぎてゆく。





そしてー4月。

俺は3年生になった。



もうこれ以上沙知の心をを傷つけたくない。苦しめたくない。


だから今日、この日に別れを告げると決意した。

今日で沙知の事を考えるのは終わりにしよう。



あの笑顔。

曲がった事が嫌いな嘘をつけない心。

俺を守ってくれた事。

初めてデートをして、キスをした事。

2人で深夜までベランダで語り合った夏。

ちょっと強がりで、でも実は泣き虫だったって事。

あの顔、髪、香り。


すべて、すべて忘れよう。