「これで授業を終わります」

『ありがとうございました』


授業が終わるとシュンとハルカはまっさきに教室から出てしまった。

まるで私から逃げるかのように。


ナナは授業中、居眠りをしたため、こっぴどく先生に叱られている。

ユキと一緒に教室を出た。


「ねぇ、沙知が元気ないのってシュンの事?」

静かな廊下にユキの声が響く。


ユキの真剣な眼差しを見て私は小さく頷いた。

「何があったの?ゆっくりでもいいから、私に話して?」


私はユキに全てを話した。

シュンとハルカの事。

裏切られたつらさ。

全てがフラッシュバックして涙が止まらない。

ユキが背中を擦ってくれる。


「話すのつらかったでしょ?・・・ごめん、気づいてあげられなくて」

「・・・っ・・・ユキのせいじゃないよ」

「・・・沙知、まだ別れようって言われてないんだから、大丈夫だよ」

私は頷く。

「もっと積極的になろ?私も応援するから!」

ユキの言葉が胸に染みる。


だけど、無理だったよ。

シュンとの別れの日は突然訪れてしまったんだ・・・-