愛のうた。

そして待つこと10分。ようやく私たちの番。

私は観覧車内に設備されている、MDに目をつけ、

適当にいじってると1つの歌が流れた。



温かくて、切ない。そんな恋のバラード。

そして、女性の透き通るような歌声。


「この歌・・・いいな」

シュンが小さな声でそうつぶやいた。


確かにいい歌。

1つ1つ言葉が心に響いて、もっと聞きたくなる。


題名は「愛のうた。」


「うわぁ~~~~キレイ!!」

頂上につくと、窓からは夕焼け空に光る太陽。

太陽の光が観覧車に差し、2人の顔がオレンジ色に照らされる。


「シュン・・・」

「な、なんだよ」

恥かしそうに目を合わせないシュン。

そんなとこが私は大好きだよ。

シュンの全部が好き。


だから神様。

私とシュンを離さないで下さい。


オレンジ色に光る、恋の歌が流れる観覧車。



こんなにも綺麗なのに、


なんでだろう。

シュンが遠くにいってしまうような気がした。



私とシュンはずっと一緒にいられるよね・・・?

急に不安になってしまった。


「好きだよ」

「知ってるつーの」