愛のうた。

「やっべ遅刻する」

急ぎ足で進んだ先にはCDショップ。

そこから聞き覚えのある曲が流れる。



これは・・・愛のうただ。

沙知が大好きな曲。


俺はCDをレジに運んだ。





「・・・っ沙知、待ってるよな」

俺は指輪が入ってるピンクの紙袋に
CDも入れるとまた走り出した。


途中で何個もある信号がうざくて仕方がない。



せっかくのデートだっていうのによ。



点滅してる信号をギリギリで渡る。




その時だった。

「あーミィちゃんのくまたんがぁ」



5歳くらいの小さな女の子が
横断歩道にクマのぬいぐるみを落としてしまった。



クリスマスプレゼントなのだろうか。

女の子は振りかえってクマへと向かう。


その腕を母親が引っ張る。


「だめよ。信号が赤になっちゃうじゃない。
ほら、早く!!!!」