愛のうた。

しばらく経つと、辺りは暗くなり始めてる。


そして、車が止まった。




「ここだよ」

車から降りた先に広がるものは、



河川敷だった。





茜色の空が反射する川の水は、きらきら光ってて、


まるでダイヤモンドのような美しさが広がる。





きれいで、きれいすぎて。



衝動的に涙が溢れた。



「・・・キレイ・・・」



悲しみの涙なんかじゃない。


すう・・・とシュンが抜けてゆく感じがした。






尚さんはそんな私の顔をみて、私を抱きしめた。


温かい温もり。



「さっきは、泣かせてゴメン・・・。
今も、泣いてるよな・・・」


え、・・・?





「多分、俺が歌った歌が原因だって気付いた」

「・・・どうして」



尚さんは笑ってるのか泣いてるのか、切ない顔をする。




「俺も思い出した。彼女の事・・・」

「尚さん・・・」


「だから沙知ちゃんの気持ちが分かった。歌わなきゃよかったよな・・・ほんとにゴメン」


そうだったんだ・・・。



尚さんも彼女がいたんだよね・・・。





でも・・・。






尚さんは息を吸うと、彼女の事を話してくれた。