「甘ったるー」


ふと唸るように呟いた希美。


希美はイチゴ牛乳を飲んでいた。



「じゃあなんでそれ買ったのさ」



「もうちょっと酸味あるもんだと思っててさ」



「じゃあリンゴ牛乳とかいんでない?」




「それは合わないだろ」




そう言って再びイチゴ牛乳を口に含む希美を見てふと思った。



イチゴ牛乳は、イチゴと牛乳が合うから作られたものであって、誰かが美味しいと思ったから売られている。




だけど実際に飲んだから、美味しいと思わない人だって居る。




合うからと言って、うまくいくわけじゃあない。


私と千葉は、似ているようで正反対だ。




まるで『みるく』と『りんご』みたいに。





だけど、似てない私たちでも、似ている私たちでも、うまくいくかどいかなんてわからない。





だったら、この辺で手を打っとくのも悪くない。






そんな小さな決意を胸に、お弁当の蓋をパタンとしめた。











みるくとりんご END
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この決意を、いつ君に伝えようか?