スナオさんは今日も真面目に仕事に励んでいた。そうスナオさんは不器用だが仕事熱心な男である。今日も頑張るぞ!と張り切って得意先に向かっていると、張り切り過ぎたのか、突然、トイレに行きたくなり、コンビニに駆込んだのである。あいにくトイレには先客があり、仕方なく待つ事にしたのだが、トイレの近くで待つとなると、必然的にブックコーナーで立ち読みと言う事になる。

 ここは得意先の近く、いつ誰と会うかわからない。たかが、立ち読みとは言え、やはりここは「文藝春秋」か「BIG TOMORROW」を選択すべきであろう。スナオさんはしたり顔で、「文藝春秋」を読みながら、トイレが空くのを待つことにしたのである。