梶山書店物語〈壱〉

店長の憐れな姿を目の当たりにしたので仕方無く、せっかくの休みをサイン会に費やす。

「最中さーん!お久しぶりでーす!」

「久しぶりっすね」

本店のコミック担当で明るくて不器用なハル。
少し、うちの店長に似てるかもしれない。

「曽良店長、悔しがってた?」

「大分」

ハルは私より1年早く入っている。偉そうにする訳でもなく笑顔で接してくれた。

「やっぱり?私も本店でやった方がいいですって薦めたんだけど都合が合わなかったみたい」