「こんばんわ」

「いらっしゃいませ」

数冊の雑誌に青年コミックをレジに通す。
支払いもスムーズに済まして「ありがとうございます」を言うだけ。

「いつもいますね、休み無いんですか?」

何回か買いに来てくれる客らしいけど残念ながら私は顔を覚えるのが苦手だ。

「休みありますよ、たまたま出勤が続きまして」

「この後、飯でも行きませんか?」

ありがたいが、今日は帰ってゆっくりしたい。

「嬉しいですけど悪いですから」