*片思い*








あたしが着くとそこにはもう郁ちゃんがいた。




ージャリッ。




体育館裏の石たちはあたしが歩く度に音を鳴らす。




その音が異様な雰囲気をかもし出す。





「郁美ちゃん…」



瞬き一つせず郁ちゃんがあたしの名前を言う。




「は、話って何かな?」



上手く口が回らない。



「唐突なんですけど…」



ーゴクッ。



あたしの喉が鳴る。



「郁美ちゃんって優也君のこと好きですよね…?」



え…。



「見てれば分かります」



え、ちょっと待って!!



あたしのせいで別れるとか言わないよね!?




「あ、あのぉ!!」



あたしは思わず叫ぶ。



「諦めてっ!!!」




あたしの言葉を消し去った郁ちゃん。








諦めて……。







「あたしと優也君は付き合ってるんですよ!?優也君はあたしのことが好きなんですよ!?それなのに…それなのに…」






そっか……。




そうだよね……




付き合ってる二人からしたらあたしはただの邪魔者だよね……。





「うん…ごめんね……」



鼻の奥がツーンとする。




「分かったら諦めてくれますか…?」




「うん…諦めるょ…今までごめん……ぇ」



言葉の語尾が涙で消えてゆく。