気が付けばもう、パン食いの所まで来ていたのだ。 重いはずなのに…。 敵なのに…。 なのに… あたしを抱っこしたまま一生懸命ゴールに向かって走る優也。 ごめんね…… 郁ちゃん…… 諦めるって言ったのに…… やっぱりあたしは優也が好きだよ…… 大好きなの…… 「すき…」 『バーンっ!!』 『一位は…えーっと…黒軍と紅軍ですー…』 アナウンスが入る。 今あたし何て言った? 今…… あたし……