学校のあとはバイトで、空を見上げながら歩いていた。
もうそろそろ冬だなあ~~。

商店街を出て家の前の小さな川の橋に差し掛かったとき誰かが橋に寄りかかっていた。

「森田!」

そう、森田だった。
ランニングウェアを着ていたので、おそらく走っていたのだろう。

「あ、山崎。よく会うなあ~~。」

「うん。そうだね。」

森田は、いつものあの笑顔を私に向けた。

今日もいつも通り語っていた。
やはり、この時期になると進路の話ばかりになってしまう。

「で、山崎進路はどうするの?」

「とりあえず、就職かなあ。うちの高校就職つよいし。」

まあ、頭がないので出来るかどうかはわからないけど。
でも、進学なんてもっと無理じゃない?

「そうか~~俺は進学。N大行こうと思ってるんだ。」

「めっちゃ頭いいじゃん。いいなあ。私なんて頭ないから就職だよ。まあ、就職もできないかもだけどね。」

結構まじで。
もうちょっと頭よく生まれたかったよ。お母さん。

「それはやばくない?」

「やばいけど、仕方ないよ~。誰か物好きに拾ってもらうしかない。笑」

まあ、実際森田に拾ってもらいたいけど。笑
森田はきっといい大学いって、いいところに就職して素敵な彼女と幸せになるんだろうなあ。

「なあ、山崎。」

「ん?なに?」

本当に、予想もしていなかった言葉が返ってきた。