正也がそっとあたしを抱きしめた。 「正也?」 「そんな寂しい顔すんなよ」 笑顔で見送ってあげたいけど、やっぱ寂しいのは隠せない。 「そんな顔されたら、アメリカ行けねぇだろ」 「だって…」 涙が溢れた…。 絶対泣かないって決めてたのに…。 「数年したら、必ず帰ってくるから」 そんなの、わかってるよ。 だけど、やっぱり寂しいよ…。