執事と秘密の恋愛




「行ってらっしゃいませ、お嬢様」

「行ってきます」

「あんまり頑張りすぎるなよ」

「うん」

いつもよりひとこと多い。

そのひとことが嬉しかった。

あたしのこと、心配してくれてるんだなぁって。

下駄箱の中には、この前と同じ手紙が入っていた。

内容は
「高杉正也と別れろ」

あたしは別れないけどね。

昨日玲香に言ったのに、別れないって。