「何があったのか、話せるか?」 「うん」 たくさん泣いて、少し落ち着いた。 嫌がらせのこと、今日のこと、全部正也に話した。 「そうだったのか…」 正也はまた優しく抱きしめてくれた。 「つらかったな」 それから、ずっとあたしを抱きしめてくれた。 「夕飯の準備、しなくていいの?」 「俺のお嬢様は愛美だ。愛美がまだ食べないなら、作る必要ない」 「そっか」 泣き疲れたのか、あたしは正也の腕の中で寝てしまった。