レンタル彼氏 Ⅱ【完結】

レンタル彼氏、なんてゆう身を削る職業。

特に聖は思ってたと思う。
聖はいたぶられることが多かったから。

だから、辞めて嬉しかったのは聖なのかもしれない。


そんな聖に彼女が出来そうで。
普通の幸せを掴もうとしてるなんて。


これが嬉しくないわけがない。

「聖、本当によかったな」


「うん、よかったよ」


そうやって笑う聖に安心する。

「彼女、素直でさ。
俺が引っかけ問題出しても引っかかるんだよね。
しかも、前に出した問題なのに。うけない?」


「うける。
素直ってより天然じゃね?」


「違うの、彼女は素直なのっ」


「はは、恋は盲目か」


「ちげーしー!」

また、不貞腐れながら聖はチーズケーキを頬張った。
それから身振り手振りを加えながら、聖が彼女の話をする。


「いつか彼女になったら紹介してよ」

そう言った俺をキッと睨み付けると、聖は口を尖らせて言った。

「絶対会わせてあげないっ!」


「は?」


「伊織カッコいいから、彼女惚れちゃうっ」


「ぶっ、何言ってんだよ」


俺はそれにまさかって笑うけど、聖は真剣みたいだ。