「そう、これ。ありがとう」
私は財布をがっちしと掴んだ。
「じゃあ、行こうか。いずちゃん」
「……そのカバンさ」
「え?」
「聖の好きにしていーよ!」
「は?」
そう、言うと私は走りだした。
聖から逃げるために。
だけど、足の速さは聖の方が上で。
私は腕を掴まれた勢いで、そのまま思い切り聖と共に倒れこんでしまった。
「……………いっつ」
「……ててて、あ」
ばちっと至近距離で目が合う。
唇と唇がすぐにでも触れそうな距離。
私はすぐに聖を両手で弾いた。
「いったー!いずちゃん、いきなり酷いよ!」
「…どっちがだ!」
いきなり引っ張って。
いきなりキスして。
いきなり過ぎるのは、どっちだ!
歯を食い縛りながら聖を恨むように見る。
聖はそんな私を見て、目を真ん丸にした。
「…………………」
聖はふぅっと、息をつくと。
「……ごめん」
しょぼんとしたまま私に謝った。
私は財布をがっちしと掴んだ。
「じゃあ、行こうか。いずちゃん」
「……そのカバンさ」
「え?」
「聖の好きにしていーよ!」
「は?」
そう、言うと私は走りだした。
聖から逃げるために。
だけど、足の速さは聖の方が上で。
私は腕を掴まれた勢いで、そのまま思い切り聖と共に倒れこんでしまった。
「……………いっつ」
「……ててて、あ」
ばちっと至近距離で目が合う。
唇と唇がすぐにでも触れそうな距離。
私はすぐに聖を両手で弾いた。
「いったー!いずちゃん、いきなり酷いよ!」
「…どっちがだ!」
いきなり引っ張って。
いきなりキスして。
いきなり過ぎるのは、どっちだ!
歯を食い縛りながら聖を恨むように見る。
聖はそんな私を見て、目を真ん丸にした。
「…………………」
聖はふぅっと、息をつくと。
「……ごめん」
しょぼんとしたまま私に謝った。



