「………よし」



暫く、頭をひねった後私は簡潔にこう書いた。




【ずっと、待ってます。
美佳】



ただ、これだけ。

康博さんはなんて思うかわからない。


だけど、私は本当に待っているつもりだ。



綺麗に封をして私は切手を貼ってポストに出した。





返事が来たのは、それから二週間ほどしてから。



伊織とも再会して、元気そうなことに安心をしていた。

帰宅して、いつもの様に郵便ポストを開ける。



見慣れない封筒。

すぐに社長からだと気付いた私は、逸る胸を抑えながら急いで部屋へと入った。


昔なら絶対履かなかったスニーカーを脱いで、リビングに向かう。

ワンルームのこじんまりとした部屋。



お金なんかなかったから、文句など言える立場じゃない。





レンタル彼女をしてた時が、幻だったんじゃないかなんて。

こんな普通の生活をしてると思ってしまう。



あの時は何もかもが異常だったから。



クッションの上に体育座りして、私はドキドキしながら康博さんの手紙を開けた。