レンタル彼氏 Ⅱ【完結】

誰かが泉を幸せにしてくれる。

俺といたら幸せになれない。


そんなの、ただの逃げだったんだ。




これからは。





俺が幸せにするんだ。






「…知りたいな、伊織のこと」



そう言うと、泉はふふっと笑う。

何が面白いのか、わからなくて首を傾げると泉は俺の近くまで歩み寄りながら


「だって、オールあひるだったんでしょ?」


そう言った。


…あひる?



きょとんとしてる俺に、泉は再度ふふっと笑うと俺の隣に腰をおろした。


「通知表、そうだったんじゃないの?」


「通知表?」


「うん、体育以外あひるって」


「あ」



泉に過去、そう言っていたのか。

…思い出せない。


レンタル彼氏の時だったから俺が言ったことは半分、嘘も混じっている。


それも、その嘘。





「…体育、5はまじだけど…他も4か5だったの、俺」


「は?!」



俺がそんな小さな暴露をすると、泉はかなり驚いた様子で目を開かせた。




「…あー、会ったすぐぐらいはさ、嘘も混じってたから…」


「………………」



口をパクパクさせている泉。

何が言いたいのかは…わかってる。