「あら、貴方は…」


畳む途中だった洗濯物を置くと、立ち上がりながら鈴恵さんは言う。



「はい、泉です。
お久しぶりです」


「ああ、やっぱり!久しぶりね」



ふんわりと柔らかく笑う鈴恵さん。



この人の笑顔、好きだな。




「さあ、隣の部屋行きましょう、ここは汚いし」


「あ、すみません」


「のりは皆のところ行っておいで」


「はあい」



のりと呼ばれた男の子は元気に頷くと、ぱたぱたと走っていった。




以前訪れた時に連れてもらった部屋に案内された。

鈴恵さんが座った向かいに座る。



「あ、お茶か何か出さないとね!あまり来客がないからすっかり…ごめんなさいね」


「あっ、お構い無く」


「そんなわけいかないわ」


そう言うと、鈴恵さんはパタパタと走って飲み物を持って戻って来た。



「はい、ホットティーで大丈夫かしら」


「はい、好きです」


「そう、よかった」



そのホットティーを一口飲む。

ほどよい温かさが、体の内側に染み渡る。