レンタル彼氏 Ⅱ【完結】

この世は金でモノを言わせられるのかもしれない。


「お前達に拒否権はない。
佐々木、呼べ」


「は、はい」


佐々木はおどおどしながらどこかに電話をかけた。
それからほどなくして雪崩のように部屋に男が入ってくる。


「社長、これどういうこと?!」


それに最初に食い付いたのは美佳だった。
社長は美佳を見ずに淡々と言った。


「………こいつらは月二千万だ、逃げ出されたら困るだろ」


「どういうこと?!何する気?」


「…何、少しいじらせてもらうだけだ」


社長がにやっと笑う。

俺と他の四人はガタイのいい男達にスタンガンをあてられて意識を失った。



最後まで美佳の叫び声だけが聞こえた。




目覚めた時、俺はどこかの部屋にいた。





「………………」




今、何時だ。
ここ、どこだ。



起き上がろうと体を起こすと、首筋に激痛が走る。


「…いっ」


何事かと思い、首筋に手をあてるとガーゼが貼ってある。


「…………何だ?」


何、されたんだ?

こんな場所にガーゼ?