「伊織」
「……だからって…こんな真似…」
自由なんかじゃない。
こんなの、俺の望んでいた自由じゃ。
「好きだった」
膝をついて、もがく俺にりさの言葉が降り掛かる。
顔を上げて、りさを見た。
りさは眉をひそめて、悲痛な声を出して俺に言う。
「好きだった。
好きで好きでしょうがなかった。
伊織を独り占めしたかった。
だけど、出来ないこともわかってた。
だから…解放したの。
誰のモノにもならないように」
言葉が。
出なかった。
りさは。
こんなにも俺を愛していたんだ。
「……それでも。
私のモノにしようと動けないのは…どうしてかしらね?」
りさはそう言うと、綺麗な頬に涙を伝わせた。
「……知ってた?
私、本当は醜くて汚かったの。
伊織が私以外に笑いかけてる姿、想像したくなかったの」
そうやって、自虐的に笑うりさに胸が締め付けられた。
それからりさは、ぽつりと。
「ごめんなさい、好きになって」
そう、呟いた。
「……だからって…こんな真似…」
自由なんかじゃない。
こんなの、俺の望んでいた自由じゃ。
「好きだった」
膝をついて、もがく俺にりさの言葉が降り掛かる。
顔を上げて、りさを見た。
りさは眉をひそめて、悲痛な声を出して俺に言う。
「好きだった。
好きで好きでしょうがなかった。
伊織を独り占めしたかった。
だけど、出来ないこともわかってた。
だから…解放したの。
誰のモノにもならないように」
言葉が。
出なかった。
りさは。
こんなにも俺を愛していたんだ。
「……それでも。
私のモノにしようと動けないのは…どうしてかしらね?」
りさはそう言うと、綺麗な頬に涙を伝わせた。
「……知ってた?
私、本当は醜くて汚かったの。
伊織が私以外に笑いかけてる姿、想像したくなかったの」
そうやって、自虐的に笑うりさに胸が締め付けられた。
それからりさは、ぽつりと。
「ごめんなさい、好きになって」
そう、呟いた。



