そして、りさから何かを強引に吸わされた。

それからすぐ俺を睡魔が襲う。
瞼が下がるのに抗うことなんか出来ず、俺はまた眠りについた。


気付いた時には。


何もかもが終わっていた。



起き上がって辺りを見渡すが、部屋には誰もいない。
逃げよう、咄嗟にそう思った。


まだ、だるさが残る体を無理矢理動かして俺は病院から抜け出した。

車でなんか帰れない。
キーもない。

とにかく、歩くしかない。


幸い、俺の洋服は病室にかけてあったからそれを羽織る。


どこだか、いまいちわからなかったけどひたすら歩いてどうにかして俺は寮まで戻った。


そこには。
警察がうじゃうじゃいて。


全て、終わったってことを悟った。



そして。
それをりさがしたってことにも。


遠くからその様子を見つめる。
ぼーっとしながら、ただ見つめる。

アタッシュケースなどが運ばれているのが見えた。
そして思う。



何もかも。


なくなった。



なくなったんだ。



上着に携帯入れていたはずだ。
携帯は取り上げられてなく、ポケットに入っていた。


その真っ青な携帯の電源をつけて俺はりさに電話をかけた。