レンタル彼氏 Ⅱ【完結】

「…………っ、」


涙が溢れて、手紙のインクが滲む。


「……み、か」


美佳は、俺を大事に思ってたんだ。
いらなくなんかなかったんだ。


社長と暮らす為に。


その選択肢しかなかったんだ。




俺がレンタル彼氏を続けるしかなかったように。

美佳にも、その選択肢しかなかったんだ。



“必ず、誰にでも、平等に幸せは訪れるのよ”



鈴恵さんの言葉が、じわじわと俺を満たしていく。
俺が信じたモノは、間違いでなかったんだよね…?



美佳……?

もう、他の人を信じる気力がないけど。


今まで、信じた人を…。






信じ続けてもいいんだよね……?



俺は、胸元に光るネックレスを強く握り締めた。


そして、久しぶりに思い切り泣いた。
美佳がいなくなった時は涙なんか出なかったのに。


嬉しくて、こんなにも涙を流せるなんて。


美佳。

美佳に会えて本当によかったよ。


例え、出会いが最悪だったとしても。