「俺ね、伊織に泉と付き合ってるって言ってんの」


何?
どういうこと?

頭が混乱して、理解が出来ない。


「……どうして、伊織が泉の好きな伊織だとわかったかって?」


「……………」


「どうして伊織と連絡取り合ってるかって?」


「……………」


「ねえ、気付かない?」


「………………」


まさか、さ。
どっかで見たことあるって思ってた。


だけど、分からなくてそのままにしてた。



ねえ、まさか。



「……………レンタル…彼氏…………?」


聖は意地悪くニヤっと笑うと。


「ピンポーン」


そう、言った。


「………何で?私達のこと何で知ってるの?」


「人から泉って名前だけ聞いた」


「……それだけ?」


「ああ、それだけ」


「……………」


「でね、調べたんだよ」


ぎりっと、手首を掴む力が強まる。


「俺ね、ずーっと探してたの」


「……………誰を?」


「俺の母親の不倫相手」


「……母親?」


まさか、聖の母親の名前が出て来ると思わなくって目を見開く。