レンタル彼氏 Ⅱ【完結】

「まあ、鈴恵さんから見たら俺もまだまだ子供だろうけどさ」


不貞腐れたように言うと、鈴恵さんは笑った。

「まあ、とにかく遅くなるから寝ててねっ!」


「はいはい、気を付けて行っておいで」


「はーい」

返事をしてから俺は、靴を履いて外へ出た。


店長に会った時。
逃げ出すように、無我夢中で走った公園。


そこが、待ち合わせだった。

バイクに跨がると、俺は公園へと走りだした。



公園に到着した俺は、ベンチに腰をおろす。
時間は四時ちょうど。

美佳は遅刻魔だから、これぐらいがちょうどいい。



そう、思ってた俺の目の前に美佳が姿を現した。


「伊織、ぴったり~!」


まさか、もういると思ってなくて面食らった。

目をパチパチさせて美佳を見る。
美佳は嬉しそうに俺の隣に腰をおろした。


「遅刻すると思ってたでしょ」


「………バレたか」


「今日はしないわよ、特別だから」


「…特別?」


「………………はあ」


わからなくて首を傾げながら尋ねると、美佳が溜め息をついた。