遊園地のスタッフジャージを着ているため、その人はどうやら遊園地の人なようだ。
「今、お化け屋敷にカップルで入っていただけると、クレープの無料券が2つ貰えるんですけど……ぜひどうですか?」
そのスタッフさんのすぐ後ろにはお化け屋敷があって、リアルな黒髪の女のお化けの人形が入り口に立っている。
「えー!クレープ好きだから欲しいー!」
「無料券ってすごくね?行くか!」
すぐに食いついたのは沙良ちゃんと光聖くん。
「みゅーは……暁と入る?」
「えっ?!」
でも、まあそうなるよね……。
光聖くんと2人きりにはなれないし、カップルを装おうとしたら、あとは暁しか残ってない。
クレープ好きだから無料券欲しいけど、お化け屋敷怖いなぁ……。
チラッと隣の暁の顔を見てみると、すごくめんどくさそうな顔をしていた。
100%私と暁はお化け屋敷に行かないなとそれで確信した私は、「私、お化け屋敷苦手だから2人で行ってきて!」と沙良ちゃんと光聖くんを送り出した。



