暁は最後に深いため息をついた後、沙良ちゃんから私へとゆっくりと視線を移した。
目がしっかりと合ってしまい、そらすにそらせなくなった。
なぜか、暁も私から視線をそらすことなく……ジッと見つめてくる。
なになになに……?
心臓の鼓動が嫌になるくらい速くなるのが分かる。
そんな私をよそに、今度は暁はどんどん私の方へと近寄ってきて……驚いている間もなく、私の右腕を優しく掴んで、眉間にしわを寄せながらそれを見た。
腕を触られたことで、更に鼓動の速さは加速する……。
見つめられただけで、触れられただけで、こんなにもドキドキしてしまうなんて。
これじゃあ、好き、を否定できないよ……。
「もう治ったか」
「……へ?」
心の中がいろんな感情がうずまいてる中、暁の声で現実の世界へ引き戻された。



