「……いるんだ?」

「え?!」

「やっぱり。みゅーちゃん分かりやすいな」

「い、いませんよっ!本当です!」



光聖くんから「ふーん?」と声が聞こえ、チラッと光聖くんの顔を見てみると……眉が下がり、少し悲しそうな顔をしていた。



「今、好きな人が頭に浮かんだ……って感じがしたんだけど、違う?」



はっきり"好きな人"と言われ、私の中で、何かを確信してしまった……。



さっきまではすぐに否定していたのに、まるで魔女に口が開かなくなる魔法をかけられたかと思うほど、私の口は動いてくれなかった。



「そうかぁ……。俺さぁ、みゅーちゃんのこと結構いいと思ってたんだけどなぁ」



残念そうな光聖くんの声に、私は何を言えばいいか分からず、ただただ黙ることしかできなかった。



「……俺とは、付き合えない、よね?」



申し訳なさそうな声でそう言う光聖くんに、それ以上に申し訳なさがいっぱいの私は、深く頭を下げて「ごめんなさい」と口にした。