私がまさか、オッケーを出すとは思わなかったんだろう。



確かに、2人だったら断っていたかもしれない。


でも、沙良ちゃんも一緒なんだと知って、大丈夫だと思った。



これから先もずっと男の人を避けるわけにはいかないし、誰かに甘えて生きていくわけにはいかない。



少しずつ、このトラウマを克服していかなきゃ……。



……そして、2日後。



私は沙良ちゃんと光聖くんと遊ぶことになった。



3人とも最寄駅が同じことから、電車で30分のところに遊園地があるため、そこへ行くことになった。



電車は運良く席が空いていたので、沙良ちゃんが気を利かせて、私、真ん中に沙良ちゃん、その隣に光聖くんが座る形になった。



それでも、話すことが好きなのか、光聖くんのおしゃべりは遊園地に着くまでずーっと止まらず、なんなら、上半身だけ前に乗り出して、私を見ながら話してくるから、あからさまに無視もできなかった。



基本乗り物が得意ではない私は、電車やバスの中では静かにしていたいタイプなんだけど、光聖くんのテンションが下がってしまうのも嫌なので、笑顔で相づちを打つことに必死だった。