怒鳴り声に、呼吸がしづらくなるのを感じる。
「心優、大丈夫?教室に戻っててもいいよ?」
「ううん、購買来てみたかったから、このまま並んでる」
「ほんと?無理しないでね」
私を心配して手をギュッと握ってくれる沙良ちゃんは、前の方でオラついている不良たちを嫌そうに見ていた。
……すると、突然その場が静かになった。
「邪魔なのはどっちだって話だよなぁ?こういうのは早いもん勝ちなんじゃねぇの?」
その原因は………光聖くんたちが来たからだった。
1番後ろでは悪魔が1人だるそうに立っていて、女の子たちのほとんどの視線が悪魔へ向けられていた。
さっきは怖そうな不良たちに圧倒されたけど、なんかもう………光聖くんたちは醸し出す雰囲気の次元が違う。
具体的に言えば、オーラと容姿のレベルが違う。
威圧感出して周りに迷惑かけた怖そうな不良たちも、急に大人しくなった。
何度も"すいませんでした"と繰り返し、その場を去った。
人だかりはすぐに戻り、光聖くんたちは最後尾に並んだ。
……そこで、暁って人がいないことに気づいた。



