私からしたら"幼なじみ"という存在がいないから、すごく憧れがある。
そこには……目に見えない絆があるような気がするからかもしれない。
「まぁ、学年違うから絡まない時期もあったけどね」
スマホを取り出し、何やら操作をし始める沙良ちゃん。
「光聖くんは1個上だよね?」
「あぁ、そっか。転校してきたから知らないよね。光聖だけじゃなくて暁も1個上なの」
「そ、うなの?」
「そう。あいつ留年してるんだよ」
まさかの……衝撃事実。
私が見た悪魔はれっきとした人間で、というか高校生で、沙良ちゃんとは幼なじみ。
おまけにクラスまで同じかと思いきや、留年していてまさかの歳上だとは……。
まぁ、正直あのオーラが同い年で出せてるとは信じがたいものがあったけど、それでも1歳しか離れていないなんて……。
引っ越してきて早々、いろんな情報が入ってきてパニックになりそう。
私がそんなことになってるとも露知らず、結局お弁当を忘れた沙良ちゃんと2人で購買へ向かうことになった。



