私がさっきまで座っていた席に座る悪魔は、気づけば机に伏して寝ていた。
結局、昼休みが来るまで、1度も起きることはなかった。
先生たちもいつものことだからか、絡まられるとめんどうだからか、授業中に堂々と寝ている悪魔のことは見て見ぬ振りをしていた。
……そんな悪魔は、昼休みが始まるチャイムが鳴った瞬間、ゆっくりと起き上がった。
チラッと悪魔を見ると……窓際に座っているため、それはそれは太陽の光を浴びてかっこよさが増して眩しかった。
けど、すぐにそんな光景は消えた。
勢いよく開いた教室のドアからは……いかにもな人たちがたくさん入って来る。
「んだよ、暁いんじゃん」
その中の1人が……金髪の光聖って人だった。
「みゅーちゃん、おはよ」
急に話しかけられたため、目も合わせることができなかった。
「今日もみゅーちゃん可愛いなぁ」
「バカ男は心優に話しかけないでくださーい」
「あ?お前にバカって言われたくねぇよバカ女。俺はみゅーちゃんと話してるんで入ってこないでくださーい」
「あっそうですかー。そんなこと言われなくても、あんたと話なんかしませーん」
それから少しの間、沙良ちゃんと光聖って人の言い合いは続いた。
私には、この2人はどうしても仲が良いようにしか見えない。



