担任の創史が朝のホームルームが終わってすぐに私のところに来て、開口一番そう言ってきた。



「暁がまともになって、本当に俺は嬉しい!それも全部、浅沼のおかげだ!ありがとう!」

「え?私ですか……?」

「そうに決まってんだろ!浅沼と付き合ってから、ちゃんと学校に来るようになって授業も受けるようになった」

「でも、私は別になにもしてないですよ……」



私がそう言うと、創史はため息をついたあと、「あのなぁ、浅沼……」と珍しく、落ち着いたトーンで話し始めた。



「人っていうのは、自分の周りにいる人や環境に影響されやすい生き物なんだよ」

「……」

「浅沼自身がなにもしてなくても、暁は浅沼がいるから学校に来たくなってるんだよ。自然と暁の背中を押してたってこと」