暁に呼ばれていたことにも気づかないくらい、私はこれからどうなるのかだけに神経が集中していた。
「先、風呂入れよ」
「あ、うん……暁はいいの?」
体が冷えちゃったのはお互い様だから、暁を気遣っての言葉だったんだけど……。
「なら、一緒に入るか」
まさかの暁からの返答に、オドオドするしかなかった。
暁は顔色ひとつ変えない。
「1人で、先に入ってきます……っ」
暁が冗談なのか本気なのか分からず、私は逃げるようにお風呂場へと向かった。
一応、いつもよりも念入りに体を洗い、倍以上の時間をかけて歯を磨いた。
恐る恐る脱衣所のドアを開ける。
ソファーに座ってスマホをいじってる暁を見つけた。



