バスの窓から見える雪景色。
その真っ白な光景がとても澄んでいて、私の暗い過去を白く塗りつぶしてくれた気がした。
……それからバスに乗ること5分。
私たちはなんとかホテルへと着いた。
しかし、ロビーには私たちと同じように帰れなり、急遽泊まりにきたであろう人たちで溢れかえっていた。
受付には長蛇の列。
半分ほど進んだところで、隣の暁も私も限界が近づいていた。
私たちの前に並んでいるカップルが、人目も気にせずずーっとイチャイチャしているのが気になって仕方ない。
私はまだ見て見ぬふりをすれば別に我慢できるんだけど、隣にいらっしゃる暁は見て分かるほどどんどんと機嫌が悪くなっている。