嵐のように去っていった不良たち。
つり目の人は、もう二度と会わないだろうし会いたくない。
だけど、実際目の前にしても、自分が思うよりも怖いと思わなかったことにびっくりした。
あのときの怖かった気持ちは思い出したけど、体の震えや冷や汗などの症状はなかった。
……少しずつ、前へ進めているのかな。
そのことを確認させるために、神様は、今日私とつり目を会わせたんだろう。
「……暁、ありがとう……」
「……ん」
なによりも、暁はまた私のことを全力で守ってくれた。
ちょっと危なっかしい部分もあるけど、それは暁なりの優しさでもあることを私はもう知ってる。