「なに?もっと上の方?」
私が怒っている、それすらも面白いのか、さらに手を上の方へと移動させる。
「ちっ、違う!そうじゃないってばっ」
さすがに私は暁の手首を掴み、お尻に触れる前に食い止めた。
だるそうに上半身を起き上がらせた暁は、私の顔をジーッと見つめる。
散々太もも触っておいて、なんでこの人はこんなにも平然としていられるのだろう……。
「変態……っ」
強制的に私の太ももから暁の手を剥がした。
そして、暁の口角が上がる。
「変態なのはどっちだよ」
イスの背もたれにもたれかかるようにして座る暁。
下から見られているのに、まるで見下されている気分……。
もしかして、私が顔を近づけていたことバレてる……?!
いや、まだ分からない。
ふざけてそう言ってるのかもしれない。



