ホテルに着き、私は入り口でハッとした。



「どうしよう……。スイーツバイキング、予約しなきゃいけなかったみたい……」



入り口の外に立てられている看板には、大きな字で"スイーツバイキングは要予約!"と書かれている。



しかし、暁はまるでそんなこと関係ないだろと言わんばかりに、私の手首を掴んで引っ張るとそのままホテルへと足を踏み入れた。



えっ、えっ?!



もしかして、イケメン悪魔オーラで威圧してバイキングに参加しようって企んでる……?!



「ちょっ、ちょっと待って……っ!さすがに無理矢理入るのはダメだよ……っ!」



エレベーターの手前まで来た私たち。



突然、暁が立ち止まったため、私は暁の背中に思いっきり激突した。



「無理矢理入るわけねぇだろ」



暁は呆れたような顔で、頬をさする私を見下ろした。



「え……?」