私の家族への挨拶が終わり、私の肩の荷が降りて軽くなった気がした。



家族になにかを秘密にしていたこと自体、はじめての経験だったので、そのストレスから解放されたからかもしれない。



彼氏ができたから心配されるというよりは、帰りは必ず暁と帰るようになったため、むしろママとパパは安心した様子だった。



大好きな人と付き合って、家族にも認めてもらうことができた……。



私にこんな幸せが訪れていいのだろうか。



幸せに慣れていない私は、今の状況を素直に受け止めることができなかった……。



「ねぇねぇ、そういえばさ、みゅーってもうすぐ誕生日だよね?」



10月半ば……お昼休み。



席替えをして窓側の1番端っこで後ろから2番目になった沙良ちゃんの席でお弁当を食べていた。



いつだか、お互いの誕生日はいつだという話になり、そのときに私の誕生日を伝えた。



記憶力がいい沙良ちゃんは、嬉しいことに覚えていてくれた。