今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。


また戻るなら別れなきゃよかったじゃんって今になれば思うけど、ママが言うには「失ってから気づく大切なこともあるのよ」だそう。



パパは確かに仕事人間で、朝早く仕事に行って帰ってくるのは私たちが寝た後だった。



印刷会社の営業をしているパパは営業先との接待とかいうやつで、休日もゴルフや飲み会など、ほとんど家にはなかった。



そんなパパに愛想を尽かしたママは離婚を決めて、私を引き取った。



1番上のお兄ちゃんの悠馬(ゆうま)こと、ゆう兄は、私の4つ上。

真ん中のお兄ちゃんの雅己(まさみ)こと、まー兄は、私の3つ上。



両親が離婚した時、ゆう兄は働いていて、まー兄も高校生だったため、引っ越すのがめんどくさいからという理由でお兄ちゃん2人はパパの方に残った。



世間からしたら不良でも、私にはとても優しいお兄ちゃんの2人が大好きだったから、離れ離れになることを知った日は目が腫れるほど泣いた。