帰り支度をし、教室を出ようとしたときだった。
「うぉ!……って、みゅーちゃんじゃん」
教室のドアを開けた瞬間、目の前には金髪が目立つ……光聖って人が立っていた。
「これから帰んの?」
気づかれないように1歩下がり距離をとった。
「はい……」
「このあと暇?」
不自然にならないように視線をなるべく下へ向ける。
「暇だったら遊び行こうよ。つーか転校生だったら、ここら辺知らないよね?俺が案内してあげるよ」
光聖って人は教室の中に入り、適当に近くにあった机の上に座った。
「大丈夫です……。元々ここ地元なんで」
「地元なの?そうなんだ。じゃあ普通に遊ぼうよ」
「あの……このあと用事あるんで……」
ここが地元っていうのは本当のことで、私が中学1年生までこの辺りに住んでいた。
でも、両親が離婚して、私はママについて行き、ここから車で30分ほど離れた場所で暮らしていた。
そして今………ママが再婚をした関係で中学1年生まで住んでいたこの場所に、また戻ってきた。
つまり、私のママは同じ人と離婚して再婚したってわけだ。



