「お父さん!早く! もう遅刻しちゃうよ!」 古びた玄関を無理やり開けると、 眩しい光が目に差した。 「はいはい、行こう!」 私は、父さんのボサボサの髪に曲がったネクタイを整えてあげた。 「いつも、ありがとうな、ゆず」 「うんっ!」 私もお父さんも車に乗り込むと、 さっさと学校へ向かった。 今日は中学校の卒業式だ。