出会いの春。



今日は、高校の入学式。

「ぁー、かったるい。」

「まぢ学校とかめんどくさくね?」

横で親友のナギサと愚痴をこぼしあう。

あたしたちは、いわゆるギャルという種類。
あたしは、金髪のロングストレートでメイクもばっちり。
スカートの丈もかなり短いらしい・・。周りが言うには。
ナギサは黒髪でショートカット。春なのに、日サロに通っているからかなり黒い。
もちろんのこと、メイクもスカートもあたしと似てる。

周りはみんな、あたしたちにビビって近寄らない。まぁ、もう慣れたけど。
「・・なーんかここの学校固くね?まぢめちゃんばっかー。(笑)」

「確かにー。つかうちらかなり浮いてんなー。(笑)」

「ダサ男ばっか・・・。終わったー。高校LIFE終わったわー。」

「ま、よくね?あたしら同クラっしょ。」

「ぁー、そか。クラブでも行って出会い求めるわー。」

そんなどうでもいい話をしていると、前からなんかゴリラみたいなおっさんがズカズカと近づいてきた。

「こらー、お前らー。」

「・・は?なんだよ、ゴリラ。」

「・・・っ、なんだ入学早々その態度は!服装も直せ!」

多分こいつ、生活指導とかなんとかっていう教師。

「はー…なんなの?いちいちうるさ。」

あたしは教師が大嫌いだ。
外見だけで人を判断するから。あたしらみたいな格好する人でも、いい人は山ほどいる。

「もー茜行こ?」

「放置、放置ー。」

あたしたち二人はそのゴリラをシカトして校舎に入っていった。