ゆっくりスタートラインへと近付く奈美。

そして瞳の隣に並ぶ奈美。



「奈美ちゃん!
 あたしと競争して!」


奈美
「!?」



「あたしに勝ったら、あの時言えなかった理由を話すから。
 ただ……
 信じてもらえるかどうか分かんないけど……」


奈美
「現役の陸上部の私に勝てると思って?」



「分かんない……
 だけど、今の奈美ちゃんになら勝てるかも……」



二人は徐にスタートラインに位置する。


奈美
「Ready、GO!」



二人は同時にスタートを切る。

奈美の脳裏に、あの頃の記憶が蘇る。

小さい頃、瞳と競争をしていたあの時を。



そして二人の後ろから何者かが走って近付いて来る。


ププ
「瞳!
 後ろからダークソルジャーが近付いて来るププ!」



「ええっ!?」


奈美
「え? 何!? 今の声!?」



「奈美ちゃん! こっち!」



咄嗟に奈美の手を引っ張る瞳。


奈美
「え!?
 何なの!?」



「いいから、こっち!」



その頃、鈴音は音楽室で一人フルートの練習をしていた。

不意に演奏を中断する鈴音。


鈴音
「瞳ちゃん、大丈夫かしら?……」



そして窓の方へと近付いていく鈴音。


鈴音
「あれは!?
 瞳ちゃんと奈美ちゃんがダークソルジャーに襲われてる!?」