奈美
「しっかりしろ! 奈美!」



ペシッと両頬を叩き、自分に活を入れる奈美。


奈美
「よしっ! 集中!」



誰も居なくなったグラウンド。

100メートルのスタートラインに着く奈美。


奈美
「Ready、GO!」



一心不乱に走る奈美。

頬に当たる風が少し心地よく感じる。

小さい頃から走る事が好きな奈美。

あの頃、よく瞳と競争をした事を思い出す。



ゴールラインを通り抜ける。

ふと後ろを振り向くとスタートラインに誰かが佇んでいた。


奈美
「瞳?」



数分前、ある決心をした瞳がそこに居た。

そして、ゆっくりとスタートラインへと近づいて行く奈美。



数分前――――



瞳は一人で悩んでいた。



「ああは言ったものの、
 どうしよう……」


ププ
「瞳……」



「……
 よし! 決めた!!」


ププ
「!?」



「こうなったらププも奈美ちゃんも守る!」


ププ
「瞳?」



「決めたよ! ププ!
 出来るかどうか分かんないけど……
 ううん、やんなきゃなんないのよ!
 戦士として……
 ププも奈美ちゃんも守る!
 守ってみせる!」


ププ
「瞳」



「"本当の事"を話すけど……
 イイよね? ププ」


ププ
「ププも協力するププ」



「ありがとうププ」